こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。

クラミジアは国内で最も多い性感染症といわれています。
このページではクラミジアの感染経路や潜伏期間、感染率について詳しく解説します。
クラミジアの感染部位によっては、必ずしも性器同士の接触でのみ感染するわけではなく、男女ともに心当たりがないまま感染している可能性もあります。
クラミジアについて詳しくは以下のページをご覧ください。 クラミジアとは
クラミジアの感染経路
クラミジアは、粘膜を通じて細菌が人から人へ感染していくことで拡がっていきます。
クラミジアの原因は、「クラミジア・トラコマティス(Chlamydia Trachomatis)」という細菌感染です。
クラミジアの主な感染経路は性行為ですが、以下の行為も感染リスクがあります。
基本的には粘膜の接触による感染になるため、トイレやお風呂、ドアノブなど日常生活でいたずらに感染を恐れる必要はありません。
性行為
クラミジアの感染経路として最も多いのが、性行為による感染です。
性器同士の接触だけが感染経路と思われがちですが、のど、肛門や直腸というように感染経路はいくつかあります。
感染経路になる性行為
- セックス
- オーラルセックス
- アナルセックス
粘膜同士の接触があれば感染する可能性があるため、性器を挿入する以外でも感染するリスクがあることは覚えておきましょう。
体液のついた手からの感染
クラミジアは手からも感染することがあり、その原因となってしまうのが体液です。
- 精液
- 膣分泌液
- 唾液
- 血液
など
これらの分泌物の中に原因菌が含まれていることがあり、手に付着したまま目に触れてしまうと、目に感染を起こします。
自然と目に触れやすい利き手側に感染を起こしやすいとも言われ、もし体液が手についた際には不用意に顔周辺を触らないようにしたいところです。
キス
クラミジアがのどに感染している場合、ディープキスによっても相手に感染する可能性があります。
のど(咽頭)に感染すると、痛みや腫れなど、風邪のような症状が出ることがありますが、9割が無症状です。
また、のどに感染している状態でそのままオーラルセックスをすると、相手の性器に感染する可能性があります。
出産時の母子感染
出産時に妊婦がクラミジアに感染していると、新生児に感染することがあります。
母子感染には「胎内感染」「産道感染」「母乳感染」の3つのパターンがあります。
胎内感染
胎内感染
⇨ 赤ちゃんがお腹の中で感染
産道感染
産道感染
⇨ 分娩がはじまり産道を通る時に感染
母乳感染
母乳感染
⇨ 母乳を介して感染
妊娠前からクラミジアに感染していた人もいれば、免疫力が下がっている妊娠中に感染してしまい赤ちゃんにも感染させてしまうことがあります。
産道感染によって胎児に感染してしまうと流産や早産の原因になる場合や、出産時に新生児に感染させてしまうと新生児肺炎や結膜炎を起こすことも。 母体からのクラミジア感染による新生児の肺炎は、3〜20%の割合で起こると言われています。
トイレやお風呂でうつることはほとんどない
トイレ、お風呂、タオルの共有でクラミジアに感染することは、ほとんどありません。
クラミジアは粘膜同士の接触が感染経路となり、人の体から離れると生存できないためです。
しっかり衛生管理を行っていれば、日常生活で過度に心配する必要はないでしょう。
クラミジアの感染率は30~50%
1回の性行為でクラミジアに感染する確率は30~50%です。
特に、コンドームを付けない場合の感染率は50%になり、2回に1回は感染してしまう計算になります。
一般的には女性の方がクラミジアに感染しやすいと言われていますが、性行為をしたことがある人なら、誰でも感染の可能性がある病気です。
また、感染者のうち、女性は8割、男性は5割が無症状と言われています。
感染したことに気づかないまま感染を広げてしまうケースが非常に多い病気です。
クラミジアの感染率を下げるためにも、コンドームの着用を推奨します。
クラミジアの潜伏期間は1~3週間

クラミジアの潜伏期間は1〜3週間程度で、この期間を経て発症します。
潜伏期間とは、病原体に感染してから、初めて症状が出るまでの期間です。
ただし、潜伏期間は個人の免疫力などによっても異なり、個人差があるため3週間を過ぎたら安心というわけではありません。
また、潜伏期間を過ぎても症状が出ない場合もあります。
感染に何年も気が付かないこともある
潜伏期間を過ぎても全く症状が出ないケースもあるため、クラミジアに感染していることに何年も気づかないこともあります。
潜伏期間は症状が出ない(気づかない)期間ではありません。数年〜十数年後に検査をして気づくケースもあります。
クラミジアは潜伏期間でも人にうつる
クラミジアは発症していない潜伏期間中でもパートナーに感染させてしまうことは十分にありえます。
クラミジア感染者との性行為で感染する確率は、一回の行為につき30〜50%と感染力の強い感染症です。
感染者と性行為した場合やリスクのある性行為をした際は、必ず検査を行うようにしましょう。
クラミジアの感染箇所

クラミジアの感染箇所は、次のとおりです。
男性 | 男性性器(尿道、前立腺、精巣上体など) |
女性 | 女性性器(尿道、膣、子宮、腹腔など) |
男女共通 | 咽頭(のど)、肛門、直腸、目 |
いずれも感染者の粘膜が触れる部分が感染箇所となっています。
そのため、喉に感染している人がオーラルセックスをすれば、パートナーの性器にクラミジアが感染してしまうこともあり、その逆もしかりです。
ただし必ずしもパートナーと同じ箇所に症状が現れるとは限りません。
クラミジア感染で起こる病気
クラミジアの感染で起こる病気は男女で異なります。
- 男性
精巣上体炎での副睾丸の腫れなど、男性不妊の原因になる。 - 女性
子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎などに進行する。
不妊、流産、早産などの原因になる。 - 男女共通
咽頭感染、直腸感染、成人型封入体結膜炎、新生児型封入体結膜炎
また、クラミジアに感染すると、将来的に不妊症の原因になる場合やHIVへの感染率が3〜5倍に増えるとされています。
感染によりさまざまなリスクを高めるため、感染の可能性がある行為があれば積極的に検査を受けることをおすすめします。
男性、女性のクラミジア感染による症状については、以下のページをご覧ください。 男性のクラミジアの症状 女性のクラミジアの症状
クラミジアは潜伏期間中でも検査・治療できる
クラミジアは潜伏期間中でも検査できます。
症状が出ていなくても、感染機会から24時間以上経過していれば検査が可能です。
潜伏期間 | 1~3週間 |
---|---|
検体の採取方法 |
|
検査可能時期 | 感染の可能性があった行為から24時間以上 |
当院では自宅で検査できる検査キットをご用意しています。
検査キット | 価格 (税込) |
クラミジア | 淋菌 |
---|---|---|---|
女性2項目セット | 6,600円 | ● | ● |
男性2項目セット | 6,600円 | ● | ● |
※単品での販売は行っておりません。
※過去に取扱いがあったその他の検査キット(HIV・カンジダなどを含むセット)は現在販売を終了しております。
また、クラミジアは潜伏期間中でも治療が可能です。
主な治療方法はアジスロマイシン(ジスロマック)といった抗生剤の内服です。
以下がクラミジアの治療で使用する薬です。
- アジスロマイシン(ジスロマック)
- クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)
- レボフロキサシン(クラビット)
- シタフロキサシン(グレースビット)
治療期間は長くて1週間ですが、炎症が広がっている場合は点滴で治療を行う必要があります。
処方された薬は全て服用し、服用から2週間後を目安に再検査してください。
クラミジアの治療について詳しくは以下のページをご覧ください。
クラミジアの治療について
フィットクリニックのクラミジア治療薬
フィットクリニックではクラミジア治療薬のジスロマックジェネリックとクラビットを処方しております。
クリニックの治療薬なら安全にクラミジアを治療することができます。
さらにオンライン診療・処方を使用すれば、全国どこからでもクラミジア治療を受けることができます。
治療薬とわからない梱包で発送しておりますので、プライバシーも守られ、誰にも知られず治療をすることができるのもメリットです。
フィットクリニックのクラミジア治療薬
治療薬 |
ジスロマックジェネリック 250mg
![]() |
---|---|
成分 | アジスロマイシン |
価格 | 7,700円 |
用法用量 | 4錠/1回経口投与する |
副作用 | 下痢、蕁麻疹、皮膚そう痒症 など |
治療薬 |
クラビット 500mg
![]() |
---|---|
成分 | レボフロキサシン |
価格 | 7,700円 |
用法用量 | 1日1錠 7日間経口投与する |
副作用 | 発疹、不眠、めまい、頭痛 など |
ただし、クラミジアは必ずしも完治するというわけではありません。
そのため、治療後2週間以上あけた上で、必ず再検査を受けるようにしてください。
中途半端に服用すると「薬剤耐性」といって薬の効かない菌が生まれてしまうおそれがありますので、自己判断での完治や服用量調整は控えましょう。
フィットクリニックの性病治療について詳しくは以下をご覧ください。
クラミジアの感染経路についてまとめ
クラミジアの感染経路についてのまとめは以下の通りです。
感染経路 |
|
---|---|
潜伏期間 | 1~3週間 |
感染率 | 1回の性行為での感染率は30~50% コンドームを付けない場合の感染率は50% |
感染を放置 した場合 |
男性 精巣上体炎での副睾丸の腫れなど、男性不妊の原因になる。 女性 子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎などに進行する。不妊、流産、早産などの原因になる。 |
クラミジアは1回の性行為で30~50%の確率で感染する可能性があり、国内で最も感染者の多い性感染症です。
少しでも不安があれば、まず検査をおすすめします。
クラミジアの感染経路に関するよくある質問
-
- Q
クラミジアの感染経路に心当たりがないことはありますか?
- A
クラミジアの感染経路には心当たりがないこともあります。一般的にクラミジアの感染経路は粘膜同士の接触によるものなので、性器同士が接触する性行為だけでなく、オーラルセックスやディープキス、体液がついた手で粘膜を触ることで感染する場合があります。また、クラミジアは感染しても無症状の場合が多く、感染に気づかないまま長期間経過し、心当たりがないと感じることもあります。
- Q
-
- Q
旦那としかしていないのにクラミジアになりました。浮気以外でクラミジアになる原因はありますか?
- A
特定のパートナーとしか性行為をしていなくても、以下のような原因でクラミジアに感染しているケースがあります。
・過去のパートナーとの行為で感染していた
・数年前にクラミジアに感染していたが無症状で気づかなかった
・相手が感染していたが無症状
- Q
-
- Q
クラミジアはキスで感染しますか?
-
A
咽頭クラミジアに感染していた場合、ディープキスによって粘膜が接触して感染する場合があります。
- Q
-
- Q
クラミジアに感染後、いつから性行為をしていいですか?
-
A
感染後の性行為の再開は、薬を飲み切ったあとに2週間が経過し検査で陰性が出てからです。
再検査で陰性が出たら、「完治」の判断ができます。
完治する前に性行為してしまうと、パートナーとピンポン感染(うつし合い)になり、完治が遠のいてしまいます。
- Q
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- Q
クラミジアに感染していたのに長い間症状が出ないこともあるのでしょうか?
-
A
クラミジアは感染しても症状が出ずに気づかない方も多いです。
しかし、体内では着実に炎症が広がっているため、疑わしい行為があった場合は検査・治療を行いましょう。
- Q
-
- Q
クラミジアは潜伏期間がありますが、どのくらい過ぎれば感染の可能性が低いと安心できるのでしょうか?
-
A
潜伏期間を過ぎても症状が出ない場合がありますので、検査で陰性を確認することが大切です。
- Q
-
- Q
クラミジアの感染率はどれくらいですか?
-
A
1回の性行為でクラミジアに感染する確率は30~50%といわれています。
コンドームを付けない場合の感染率は50%になり、2回に1回は感染してしまう計算です。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください