ニキビ(尋常性ざ瘡) とは‐症状・原因・治療について解説

更新日:2025/05/09
ニキビ(尋常性ざ瘡) とは‐症状・原因・治療について解説

ニキビとは簡単に言うと、毛穴に皮脂や汚れが詰まって炎症が起きた状態のことです。

医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれ、皮膚の慢性的な炎症性疾患の一つとされています。

思春期にできやすいイメージがありますが、大人になってからも悩む方が多く、原因や種類はさまざまです。
このページでは、ニキビの基本的な仕組みから、症状・原因・治療までをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

フィットクリニックでは、ニキビ治療としてイソトレチノイン内服薬を取り扱っております。

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ニキビ治療薬の詳細

ニキビとは

ニキビとは、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる、毛穴(毛包)の炎症性疾患です。主に皮脂腺の活動が活発な顔・背中・胸部などにできやすく、思春期に限らず20代以降の大人にもよく見られます。

ニキビは「毛穴の詰まり → アクネ菌の増殖 → 炎症 →ニキビ」という段階を踏んで引き起こされます。

皮脂腺の過剰分泌と角質の詰まりにより毛穴が閉塞し、アクネ菌が増殖して炎症が起きるまでのニキビ発生メカニズムを3段階で示した図

また、ストレスや食生活、ホルモンバランスの変化、スキンケアの誤りなど、生活習慣も深く関わっており、一人ひとり原因や悪化要因が異なります。

軽度のものから重度で慢性的なケースまで幅広いため、適切な対処や医師の診察が重要です。

ニキビの主な原因

ニキビは一つの原因で発生するわけではなく、いくつもの要素が重なり合って起こる「多因子性の皮膚疾患」です。
主な要因には、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり(角化異常)、アクネ菌の増殖、そしてホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。

ニキビの主な原因
  • 皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まり
    皮脂が多く分泌されると毛穴が詰まりやすくなり、アクネ菌が繁殖。炎症を引き起こしニキビになります。
  • ホルモンバランスの乱れ
    思春期や生理前など、ホルモンの影響で皮脂分泌が増加。大人ニキビもこのバランスの崩れが関係しています。
  • 生活習慣やストレス
    睡眠不足や偏った食生活、ストレスは肌の回復力を低下させ、ニキビを繰り返す原因になります。
  • 間違ったスキンケア
    強すぎる洗顔や保湿不足は肌のバリア機能を壊し、逆に皮脂が過剰になってニキビができやすくなります。
  • ニキビダニ(顔ダニ)の増殖
    毛穴に常在する「顔ダニ(ニキビダニ)」が過剰に増えると、炎症を起こしニキビのような症状が現れることもあります。 顔ダニの詳細

体質・年齢・生活環境のいずれもが密接に関係しており、単純な対処だけでは改善しづらいのがニキビ治療の難しさです。
まずは原因を正しく理解することが、適切な予防・治療につながります。

ニキビの原因の詳細は以下のページをご覧ください。

ニキビの原因・対策

ニキビの種類

ニキビは進行段階や炎症の有無によっていくつかの種類に分類され、それぞれ特徴や対処法が異なります。
一般的には、白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビ(膿ニキビ)の4つが代表的です。
黄ニキビがさらに悪化すると、炎症が深部まで及んで紫ニキビへと進行します。

ニキビの種類
  • 白ニキビ
    毛穴の中に皮脂が溜まるが、炎症はない初期ニキビ。
    目立ちにくいが早めのケアが重要。
  • 黒ニキビ
    毛穴が開き、中の皮脂が酸化して黒く見える状態。
  • 赤ニキビ
    アクネ菌が増えて炎症を起こした状態。腫れや痛みを伴う場合がある。
  • 黄ニキビ
    赤ニキビが悪化し、膿がたまった状態。触るとさらに悪化する。ニキビ跡に注意。
  • 紫ニキビ
    炎症が深部に進行し、しこりや腫れが強い重度のニキビ。医療機関での治療を推奨。

以下のページでは、肌質・性別・年代・特徴別など、さらに詳しいニキビの種類をご紹介しています。

ニキビの種類・症状

ニキビができる場所と対策

ニキビは顔だけでなく、背中や胸、頭皮など全身にできる可能性があります。場所ごとに原因や対処法が異なるため、症状に合わせたケアが必要です。

ニキビができやすい場所
  • 額、頬、あごなどの顔まわり
    皮脂分泌が多いTゾーンや、マスクや髪の刺激を受けやすいUゾーンは、特にニキビができやすい場所です。
  • 背中、胸などのからだ周辺
    汗や服の摩擦、ボディソープのすすぎ残しが原因に。蒸れやすい環境では特に注意が必要です。
  • 頭皮
    シャンプーの刺激や、毛穴の詰まりが関係します。炎症を放置すると痛みやかゆみを伴うことも。

顔・背中・頭皮など、部位ごとの原因と対策をもっと詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

ニキビの場所別の原因と対策

ニキビの予防法

ニキビを防ぐには、日常的なケアの積み重ねが欠かせません。スキンケアや生活習慣の見直しが、肌トラブルの予防につながります。

今日から始められる基本の予防法は以下のとおりです。

ニキビの予防法
  • 正しいスキンケア
    やさしく洗ってしっかり保湿しましょう。ゴシゴシ洗いや強いピーリングは逆効果です。
  • 食生活と生活習慣の見直し
    脂っこい食事や甘いものの摂りすぎに注意。バランスの良い食事と睡眠が肌の再生力を高めます。
  • ストレス管理
    ストレスはホルモンバランスや皮脂分泌に影響を与えます。深呼吸や趣味の時間も大切です。

毎日のケアや生活習慣の見直しで、ニキビは防ぐことができます。具体的な予防法は以下のページをご覧ください。

ニキビの予防法

重症化して治らないニキビの特徴

市販薬やスキンケアだけでは改善しない重度のニキビは、炎症が深部にまで及んでいる可能性があります。
放置すると跡になりやすく、皮膚科での適切な治療が必要になることもあります。

重症化して治らない
ニキビの特徴
  • 長期間続く赤みや膿
    赤ニキビや黄ニキビが繰り返しでき、なかなか引かない状態は重症です。
  • 痛みやしこりを伴う紫ニキビ
    皮膚の奥に硬いしこりができたり、腫れが強かったりする場合は、自己ケアでは改善が難しいです。
  • ニキビ跡・色素沈着が残る
    治っても肌に赤みや凹凸が残る場合、炎症が深く進行しているサインです。

繰り返すニキビや治りにくい症状にお悩みの方は、早めの対処が大切です。
以下のページでは、重症ニキビの特徴と治療法を詳しく紹介しています。

重症化して治らないニキビの対処法

ニキビと間違えやすい症状

ニキビと思っていた症状が、実は「酒さ(しゅさ)」だったというケースも少なくありません。

酒さは赤みやブツブツが慢性的に続く疾患で、「赤ら顔」とも称されます。一般的なニキビと見た目が似ていますが、原因も治療法も異なります。

特に間違えやすいのは「面皰様酒さ(めんぽうようしゅさ)」であり、毛穴の詰まりや皮脂の分泌異常がみられ、白ニキビや赤ニキビと酷似した症状が出る点が特徴です。

通常のニキビ治療が効かない、赤みが引かないと感じたら、酒さの可能性も疑ってみましょう。
酒さの詳細や治療法は以下のページをご確認ください。

酒さ(赤ら顔)の詳細

ニキビの治し方

ニキビを早く治すためには、正しいケアと生活習慣の見直しが重要です。

ここでは「セルフケアでの治し方」「治療薬での治し方」2つの視点から、悪化を防ぎ回復を早める方法をご紹介します。

セルフケアでのニキビの治し方

日常生活でできるニキビケアの方法は、以下のとおりです。

日常生活でできる
ニキビの治し方
  • ニキビを触らない、潰さない
    無理に触れると炎症が悪化し、ニキビ跡になりやすくなります。
  • 刺激を与えないケアをする
    洗顔はやさしく、肌をこすらないことが大切です。
    摩擦や強い成分にもご注意ください。
  • 肌に合ったスキンケアを選ぶ
    乾燥しすぎず、ベタつかない保湿を心がけましょう。
    過剰な洗顔やオイル系のスキンケアはお控えください。
  • 紫外線対策を忘れない
    日焼けは炎症を悪化させ、色素沈着を残しやすくします。
    日焼け止めで予防を徹底しましょう。

ただし、セルフケアだけでは改善しない場合も少なくありません。
赤みが強いニキビや繰り返しできるニキビには、治療薬を使ったアプローチが必要になることもあります。

治療薬については、次の章で解説します。

セルフケアで治らないニキビは薬で改善

ニキビがセルフケアで改善しない場合には、医師の判断による治療薬の使用が効果的です。

治療薬は大きく分けて、外用薬(塗り薬)・内服薬(飲み薬)・市販薬の3種類があり、症状の程度や体質に応じて使い分けられます。

治療薬でのニキビの治し方
  • 外用薬で治す
    アダパレン(ディフェリンゲル)や過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)などが処方されます。毛穴の詰まりや炎症を改善し、初期ニキビや軽度の赤みがある症状に適しています。
  • 内服薬で治す
    抗生物質(ミノマイシン・ビブラマイシン)や漢方薬、ホルモン療法として低用量ピルが用いられることもあります。重症例ではイソトレチノインが選択されることもあります(※医師の管理が必要)。
  • 市販薬で治す
    軽度のニキビ向けに販売されていますが、成分や濃度が医療用とは異なるため、症状が長引く場合は早めに医療機関に相談することが大切です。

ニキビ治療薬やイソトレチノインについての詳細は以下をご覧ください。

ニキビ治療薬の詳細 イソトレチノインの詳細

まとめ:ニキビの症状はさまざま。正しい対処が大切

ニキビは種類も原因もさまざまで、人によって最適な対処法は異なります。
この記事の大切なポイントを、改めて確認しましょう。

ニキビのまとめ
  • ニキビは毛穴の詰まりと炎症によって起こる肌トラブル
  • 白・黒・赤・黄など、進行度で見た目が変化
  • 原因は皮脂・ホルモン・生活習慣・スキンケアなど多岐にわたる
  • 治療にはニキビ治療薬の使用や生活改善が有効
  • 重症化や酒さなど、あらゆる可能性に注意が必要

なかなか治らないニキビや繰り返す肌トラブルにお悩みの方は、フィットクリニックにお気軽にご相談ください。

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ニキビに関するよくある質問

  • Q
    ニキビの症状はなんですか?
    A
    白や赤、黄など色の違うブツブツができるのが主な症状です。
    毛穴に皮脂や汚れが詰まり、炎症を起こすことで、白ニキビ・赤ニキビ・膿をもった黄ニキビなどができます。痛みやかゆみを伴うこともあり、進行度によって見た目が異なります。
  • Q
    ニキビに似た症状はありますか?
    A
    「酒さ」や「ニキビダニによる肌荒れ」などがニキビと間違えられやすいです。
    どちらも赤みやブツブツが特徴ですが、原因も治療法も異なります。セルフケアで悪化するケースもあるため、症状が長引く場合は医療機関への受診を推奨します。
  • Q
    大人ニキビと思春期ニキビの違いは?
    A
    大人ニキビはホルモンや生活習慣の乱れが主な原因です。
    思春期は皮脂分泌が活発になることが主な原因ですが、大人ニキビはストレスや不規則な生活、スキンケアの影響が大きく、Uゾーン(あご・フェイスライン)にできやすいのが特徴です。

その他よくある質問はこちらをご確認ください

イソトレチノインについて
未承認医薬品等であることの明示 イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。
入手経路等の明示 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。
国内の承認医薬品等の有無の明示 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
諸外国における安全性等に係る情報の明示
  • FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。
  • 胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。
  • 妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

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