AGAの遺伝と発症リスク - 薄毛を受け継ぐ仕組みと予防・対策を解説

更新日:2026/08/14
薄毛の遺伝の仕組みや2種類の薄毛遺伝子について解説

AGAはさまざまな遺伝的要因が関与する多因子・多遺伝子疾患と考えられています。
しかし、遺伝による薄毛を予防・対策する方法はあります。

このページでは、AGAの遺伝情報をどこから受け継ぐのか、遺伝による薄毛の仕組みについて最新の見解を紹介したうえで、適切な予防や対処方法を解説します。
なお、親が薄毛でも必ず薄毛になるわけではありません。

AGA(男性型脱毛症)の症状について詳しくは以下のページをご覧ください。 AGA(男性型脱毛症)とは

AGAの発症に関わる遺伝的要因とは

AGA発症にはさまざまな遺伝的要因が関わっています。

遺伝による薄毛のポイント
  • 「5αリダクターゼ」の活性度
  • 「男性ホルモン受容体」の感受性

など

これらは遺伝によって引き継がれることがわかっているため、家系に薄毛の人がいると、将来AGAを発症するリスクは高いと言えます。

AGAで抜け毛が起こる仕組み

5αリダクターゼの活性度は親から子に遺伝するとされています。
5αリダクターゼはテストステロンと結びつき、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成に関わります。
このDHTと男性ホルモン受容体がさらに結合し、脱毛の指令が出され、抜け毛が起こるのがAGAのメカニズムです。

遺伝によって薄毛になる確率

男性ホルモン受容体の遺伝の仕組み

家族にAGAの人がいる場合、AGAを発症する確率は高くなります

男性ホルモン受容体の感受性に関わる遺伝情報は、X染色体上に存在します。
性染色体は男性が「XY」、女性が「XX」となることから、母方の祖父から母へと遺伝情報が受け継がれ、さらにその子どもへと受け継がれることがあります。
「母方の祖父が薄毛だとAGAになりやすい」と言われてきたのはこの理由からです。

ただし、AGAは母方だけから遺伝するわけではなく、父方・母方の両方の家族歴や複数の遺伝的要因が関係します。

そのうえ、AGAは複数の遺伝的要因に加え、年齢やホルモンなどが複雑に関係するので、母方の祖父や父親が薄毛だからといって、将来のAGA発症確率を正確に予測できるわけではありません

あくまでもAGA発症の目安の1つとして、父方・母方の家系をさかのぼって薄毛の方がいた場合、薄毛の予防を始めるきっかけと捉えるとよいでしょう。

なお、AGAのお悩みに対して、フィットクリニック公式LINEでは、AGA治療薬に関する限定情報やお得なご案内をお届けしています。
AGAのお悩みについて情報収集から始めたい方も、お気軽にご登録ください。

公式LINEに登録する

※LINE登録後はオンライン診療の予約も可能です

遺伝による薄毛にもAGA治療薬は有効

「AGAが遺伝するなら防ぎようがない」と考える方もいますが、AGA治療薬が開発されて以来、薄毛は治療が可能になりました。
個人差や治療開始時期の差はありますが、AGA治療薬は遺伝による薄毛にも有効です。

AGA治療薬の主な作用
  • 抜け毛を抑える「フィナステリド」
    ⇒抜け毛の原因に関わる「5αリダクターゼ(酵素)」に作用し、その働きを阻害することで抜け毛を抑制
  • 抜け毛を抑える「デュタステリド」
    ⇒デュタステリドは、5αリダクターゼ(酵素)のⅡ型だけでなくⅠ型も阻害するため、フィナステリドより広い範囲の5αリダクターゼに作用します。
  • 発毛を促す「ミノキシジル」
    ⇒髪の成長に必要な栄養や酸素が頭皮に届きやすくなり、発毛や育毛に作用

「フィナステリド」または「デュタステリド」と「ミノキシジル」は併用も可能なため、脱毛の進行状態や症状に応じて、適切な予防や治療を行うことができます。

なお、日本ではAGA治療薬(プロペシア・フィナステリドなど)の19歳以下の処方は原則として行われていません。
19歳以下で将来の毛髪が気になる方は、髪の毛の成長を促す「髪の土台作り」をしておきましょう。

AGA治療薬について詳しくはこちらで解説しています。 AGA治療薬の種類と比較

薄毛治療・予防を早く開始すると良い理由

AGAを発症した場合、毛包が徐々に小さくなり、太く長い毛が育ちにくくなります。
そのため、早期に診断・治療することで進行を抑えることが重要です。

AGAでは毛包のミニチュア化と成長期(anagen)の短縮が起こることが知られています。また、ヘアサイクルにおける成長期は、AGAにより年単位から数週間〜数か月程度まで短縮することがあります。

生活習慣の改善なども含め、薄毛対策や予防を行い、治療環境を整えることが重要です。
また、AGA治療薬による治療を早期に開始することで、こうしたAGA症状の進行を早めに抑え、結果として毛根の寿命を延ばす可能性があります。 AGAの予防

遺伝以外の脱毛に関わる要素も同時に対策する

AGAは遺伝的素因とアンドロゲンへの反応が中心ですが、生活習慣も脱毛に関連する可能性のある要素として対策することが大切です。

遺伝以外で脱毛に関わる要素
  • 栄養不足
  • 肥満
  • 睡眠不足などの不健康な生活リズム
  • 喫煙
  • ストレス
  • 間違ったヘアケア

栄養不足によって髪に必要な栄養が不足し、脱毛につながることがあります。
タンパク質、ビタミン、ミネラルが髪に必要な栄養素とされますが、これだけを摂ればよいということではなく、バランスの良い食生活が重要です。

一方、栄養過多によって肥満になると、酸化ストレスや炎症による毛包幹細胞の異常や、ホルモンバランスの乱れが起こり、頭皮に十分な栄養が届かなくなります

睡眠不足やストレスはさまざまな健康被害や病気につながるのはもちろんですが、脱毛にも関係します。

喫煙はAGAの発症・進行との関連が報告されています。AGA対策だけでなく全身の健康のためにも、禁煙が推奨されています。

また、これらに気を付けていても、髪をきつく縛ったり、シャンプーで強く頭皮をこするなども、AGA以外の脱毛症を引き起こすおそれがあります。

遺伝による薄毛はAGA治療薬で対策できる

AGAは遺伝的要因が大きい脱毛症です。 AGAの病態にはアンドロゲン、特にDHTと男性ホルモン受容体が関与しており、これらに関わる遺伝情報が親から子に受け継がれる場合があります。

ただし、こうした遺伝的要因を受け継いでいるとしても、フィナステリドやデュタステリドといったAGA治療薬は5αリダクターゼを阻害し、DHT生成を抑制するため予防や治療に有効です。

「薄毛が気になる」「毛髪が減ってきた」など、薄毛が進行しており、AGAを疑う場合は、医療機関へご相談ください。

当院では、患者さま一人ひとりの症状やご希望に合わせ、最適な治療法をご提案いたします。
当院のAGA治療について詳しくは、以下のページをご覧ください。

よくある質問

  • Q
    親戚に薄毛の人が一人もいません。薄毛にはなる心配はないでしょうか?
    A
    AGAは遺伝的な要因だけでなく、他にもホルモンや生活習慣なども原因としてあげられるため、「心配ない」とは言い切れません。
    そのため男性なら誰でも薄毛になる可能性があるので、親戚の薄毛はあくまでもAGAを疑う1つの目安としてください。
  • Q
    父はハゲていて、祖父もハゲています。僕もハゲるのでしょうか?
    A
    親が薄毛だからといって、自分も必ずAGAになるわけではありません。
    ただし、AGAには遺伝的要因があり、父方・母方の両方の家族歴が発症リスクに関係します。
    AGAは複数の遺伝子が関与するため、「母方の祖父が薄毛なら●●%」のように単純な確率で予測することはできません。
  • Q

    未成年でも薄毛の治療はできますか?遺伝で薄毛になりそうなので今から対策したいです。

    A
    まず、生活習慣の見直しや日頃のヘアケア、食生活の調整をしてできるだけ髪へのダメージを最小限にしておくのが重要です。
    薄毛治療薬について、フィナステリドなどは原則として国内で19歳以下の処方は行われていません。
  • Q

    AGAは父親と母親のどこから遺伝するのでしょうか?

    A
    AGA(男性型脱毛症)の遺伝子は、母方と父方のどちらからも受け継がれます。
    薄毛に関わる遺伝情報の1つとして、男性ホルモン受容体の感受性がありますが、男性はX染色体を母親からのみ受け継ぐため、母方の祖父の影響を受けやすいという説もありますが、同じくAGAに関する5αリダクターゼの働きに関する遺伝情報は父方の家系からも遺伝します。

関連記事

参考サイト

この記事の監修

フィットクリニック院長 服部圭太
服部 圭太
(はっとり けいた)医師

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務