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タダラフィルとは|効果・副作用・飲み合わせ

タダラフィルとは|効果・副作用・飲み合わせ

タダラフィル(Tadalafil)とはホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害薬です。

タダラフィルはイーライリリー社(日本の発売元は日本新薬)の勃起不全治療薬シアリス、肺動脈性肺高血圧症治療薬「アドシルカ」、および前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤「ザルティア」の有効成分です。

このページではタダラフィルの概要および、勃起不全への効果・副作用・飲み合わせを中心に解説します。

なお、シアリスに関する詳細情報は以下をご参照ください。

タダラフィルの基本情報

一般名 タダラフィル
(Tadalafil)
化学名 (6R,12aR)-6-(1,3-Benzodioxol-5-yl)-2-methyl-2,3,6,7,12,12a-hexahydropyrazino[1',2':1,6]pyrido[3,4-b]indole-1,4-dione
分子式 C22H19N3O4
分子量 389.40
物理化学的性状 白色の粉末。
ジメチルスルホキシドに溶けやすい。
アセトニトリル又はエタノール(99.5)に溶けにくく水にはほぼ溶けにくい。
構造式 タダラフィルの構造式
販売名 シアリス(勃起不全
アドシルカ(肺動脈性肺高血圧症治療薬)
ザルティア(前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤)
投与経路 経口
代謝 肝臓 (CYP3A4)
半減期 17.5時間
排泄 糞便(> 60%)、尿(> 30%)

タダラフィル(Tadalafil)とはホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害薬です。

イーライリリー社(現在は日本新薬より発売)の勃起不全治療薬シアリス(cialis)、および肺動脈性肺高血圧症治療薬のアドシルカ(Adcirca)、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤のザルティア(Zalutia)の同一の有効成分で、3つの効果効能で厚労省より認可されています。

2007年にシアリスの登場を皮切りに、2009年アドシルカ、2014年ザルティアの順で承認されています。

なお、シアリスについて「男性不妊症」と認められる場合以外は、健康保険適用外です。

シアリスは上記3剤の中で唯一、用途によって保険適用が判断される薬となっています。

近年では高山病の高所肺水腫の予防にも活用できるという研究が報告されています。

薬理学的に関連のある化合物の「シルデナフィルクエン酸塩」「バルデナフィル塩酸塩水和物」に比べ半減期が長く体内で分解されにくい特徴から、長時間効果を特徴とする成分です。

【ED治療薬の半減期】
タダラフィル:約14.5時間
シルデナフィル:約3-4時間
バルデナフィル:約4-5時間

タダラフィルの作用機序

タダラフィルの作用機序は、勃起不全、前立腺肥大症に伴う排尿障害ともに、血管や尿道、前立腺、肺動脈の平滑筋細胞に多く分布するPDE5(ホスホジエステラーゼ5)という酵素を阻害し、細胞内で血管を拡張させる物質であるcGMP(環状グアノシン一リン酸)を増幅させる作用を持ちます。

ここでは勃起不全(ED)への効果に焦点をあて解説します。

勃起不全(ED)への効果

PDE5阻害剤としてのタダラフィルの作用機序

タダラフィルの勃起不全(ED)への効果は選択的PDE5阻害作用に基づき、性的刺激後の勃起機能を改善する、というものです。

男性の勃起は脳が性的興奮や刺激を受けることにより、脊髄神経を通じて陰茎に伝達されます。

するとNO(一酸化窒素)が放出され、血管拡張の作用を持つcGMP(環状グアノシン一リン酸)が増幅し、これにより陰茎海綿体の平滑筋が弛緩します。

陰茎の海綿体は多くの血管で出来ているため、血管拡張で海綿体が膨張し、血液が大量に流れこむ、というのが勃起のメカニズムです。

次に勃起不全(ED)について、興奮が収まるとcGMPを分解するPDE-5(ホスホジエステラーゼ-5)という酵素が増幅し勃起が収束します。

勃起不全はこのPDE-5が増幅しすぎることで勃起及び勃起の維持ができなくなる症状ですが、タダラフィルがPDE-5を阻害する効果によって、勃起不全の改善が可能となります。

なお、タダラフィルは成分名でシアリスはタダラフィルを成分とした勃起不全治療薬であり、効果、効能、副作用は同様です。

先発薬シアリスに対して、ジェネリック医薬品を「タダラフィル」または「タダラフィル錠」と呼称するのが一般的です。

また、以前は勃起不全を「インポテンス」と表現していましたが、侮蔑的な意味合いがあるとされるため、現在はED(Erectile Dysfunction)と表現します。

タダラフィルの勃起不全に対する臨床試験

タダラフィルが勃起の維持や硬さ、挿入の頻度にどの程度変化をもたらすか、IIEFスコアの6段階の数値の変化で表す実験が行われました。

以下の数値はベースラインの数値からの変化量です。

タダラフィル投与によるIIEFの数値の変化量
プラセボ群:2.05
5mg群:7.51
10mg群:9.10
20mg群:9.38

プラセボ(薬効を持たない偽薬)に対し、タダラフィルの各用量のスコアは有意に変化していることがわかります。

IEFF(国際勃起機能スコア)とは
IEFF(International Index of Erectile Function)とは、EDのスクリーニングやED治療の効果判定に用いる質問票。
数字が低くなるほど、EDの症状が重い状態であることを示す。
また治療効果の判定には「IIEF-EF」を用い、6項目(設問1〜5、15)から構成される。

また、「勃起は十分に持続し、性交に成功しましたか?」という質問に対して、「はい」と答えた割合は以下のとおりです。

タダラフィル投与により勃起が持続し性交できた人の割合
プラセボ群12.29%
5mg群:34.31%
10mg群:47.26%
20mg群:50.80%

一般的なED治療に用いられる10mgと20mgに注目してみると、約2人に1人以上が性行為に成功していることがわかります。

タダラフィルの服用方法

タダラフィルは、薬の用量が2.5mg〜40mgで何種類もあり、服用方法も症状ごとに異なります。

ここでは、勃起不全(ED)治療に対しての服用方法について解説します。

勃起不全に対する服用方法(用法・用量)

勃起不全の場合にタダラフィルを用いる際の服用方法は、以下のとおりです。

勃起不全治療の服用方法
性行為の1時間前に1錠を服用

用量を問わず、服用できるのは1日1回1錠までとなります。

追加で服用する場合には、服用間隔を24時間以上あけるようにしてください。

また、腎障害が認められている場合、服用できる用量は変化するのでご注意ください。

腎障害がある場合の服用方法
中等度の腎障害:5mgから始め、最高10mgまで
重度の腎障害:5mgまで

なお中等度の腎障害の方で10mgを服用するのであれば、服用間隔を48時間以上あけてください。

タダラフィルの副作用

タダラフィルの副作用で、勃起不全での服用に対して報告されているものは以下のとおりです。

【タダラフィルの副作用】

1%以上
  • 潮紅
  • 消化不良
  • 背部痛、筋痛、四肢痛
  • 頭痛
  • 鼻閉
0.2~1%未満
  • 動悸、ほてり
  • 霧視、眼
  • 上腹部痛、悪心、胃食道逆流性疾患、下痢、口内乾燥、胃炎、嘔吐、腹痛、胃(胸部)不快感
  • 肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇を含む)
  • 関節痛、筋痙攣(筋収縮)、筋骨格痛
  • めまい、睡眠障害
  • 鼻炎、副鼻腔うっ血
  • 疲労、無力症、疼痛、体重増加、倦怠感
0.2%未満
  • 血管拡張、心拍数増加、胸痛、狭心症、頻脈、高血圧、低血圧
  • 耳鳴、視覚障害、眼痛、流涙増加、眼刺激、結膜充血、視野欠損、結膜炎、乾性角結膜炎、眼瞼腫脹
  • 便秘、腹部膨満、軟便、胃刺激症状、嚥下障害
  • ALP 上昇
  • 腎機能障害、尿酸値上昇
  • 筋骨格硬直、頚部痛、殿部痛
  • 錯感覚、傾眠、不安、片頭痛
  • 排尿困難、勃起増強、意図しない勃起
  • 呼吸困難、喀血
  • 紅斑、多汗、爪囲炎
  • 熱感、末梢性浮腫、粘膜浮腫、口渇
頻度不明
  • 心筋梗塞 注1)、心臓突然死 注1)、失神、起立性低血圧
  • 色覚変化、回転性眩暈、網膜静脈閉塞、非動脈炎性前部虚血性視神経症、網膜動脈閉塞
  • 食道炎
  • 脳卒中 注1)、感覚鈍麻
  • 持続勃起症、勃起の延長
  • 鼻出血、咽頭炎
  • そう痒症
重篤な副作用(頻度不明)
  • 過敏症
    (発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、Stevens-Johnson 症候群等) 注2)

注1) これらのうちほとんどが本剤投与前から心血管系障害等の危険因子を有していたことから、性行為に起因して発現したと特定はできない
注2)国内臨床試験での報告はないが、外国の臨床試験・市販後まれに報告されている

副作用が出たときの対処法

タダラフィルを服用中、副作用が出た場合には以下のように対処してください。

【勃起不全(ED)で副作用が出た場合の対処】

基本的には一過性の症状であるため、効果が切れると副作用も自然に治まるので大きな心配はありません。

頭痛や消化不良が性行為の妨げになるようであれば、市販のロキソニン、バファリン、イブプロフェンといった頭痛薬や胃薬(胃酸を抑えるタイプ)、整腸剤によって対処も可能です。

ただし、症状が長引く、悪化してくる、重度の副作用といった場合は、投与を中止し、放置はせず速やかに医師にご相談の上、適切な処置を行ってください。

タダラフィルの注意点

タダラフィルの服用にあたり、安全に服用するためには以下の基本的な注意事項、飲み合わせ(併用の禁忌、併用の注意)の確認が必要です。

【基本的な注意事項】
  • 心血管系の状態を確認する
  • 服用後4時間以上の勃起、あるいは6時間以上の持続する痛みを伴う勃起は直ちに医師の診察を受ける
  • 服用後急激な視力低下または視力喪失があった場合、直ちに眼科専門医の診察を受ける
  • めまいや視覚障害の対策として、服用後の運転および高所作業を避ける
【合併症・既往歴のある患者に対する服用の注意事項】
以下に該当する場合、服用注意、または医師の診断を受けるよう推奨されます
  • 陰茎の構造的欠陥がある患者
  • 鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等の患者
  • 他の勃起不全治療剤やPDE5阻害剤を投与中の患者
  • 出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者
  • 重度勃起不全患者
  • コントロールが十分ではない高血圧患者

併用に関する禁忌と注意は以下の通りです。

併用禁忌

併用禁忌(併用禁忌薬剤)とは、併用により効果の増減や副作用の増悪、重大な健康被害の可能性がある、飲み合わせを禁忌とする医薬品です。

【併用禁忌剤】
  • 硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤
    (ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)
  • 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤
    (リオシグアト)
【投与の禁忌】
  • 成分に対して過敏症のある患者
  • 性行為が不適当と考えられる患者(心血管系障害など)
  • 不安定狭心症、性交中に狭心症を起こしたことがある患者
  • コントロール不良の不整脈、低血圧(血圧<90/50 mmHg)
  • コントロール不良の高血圧(安静時血圧>170/100 mmHg)
  • 心筋梗塞の既往歴がある患者(最近 3 ヵ月以内)
  • 脳梗塞・脳出血の既往歴がある患者(最近 6 ヵ月以内)
  • 重度の肝障害患者
  • 網膜色素変性症患者

併用注意

タダラフィルの併用注意とは、同時服用で副作用が増強あるいは減弱したり、効果が変化するおそれが生じることにより、併用に注意を要する飲み合わせです。

【併用注意】
  • CYP3A4阻害剤
     ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、テラプレビル、グレープフルーツジュース等
  • HIVプロテアーゼ阻害剤
     リトナビル、インジナビル、サキナビル、ダルナビル等
  • CYP3A4誘導剤
     リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール等
  • α遮断剤
     ドキサゾシン、テラゾシン等
  • 降圧剤
     アムロジピン、メトプロロール、エナラプリル、カンデサルタン等
  • カルペリチド
  • ベルイシグアト

タダラフィル製剤について

タダラフィルの製剤である勃起不全治療剤「タダラフィル錠」についての詳細は以下の通りです。

タダラフィルを成分とする主な勃起不全治療剤の概要

シアリス シアリスジェネリック
錠形 シアリス シアリスジェネリック
効能または効果 勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない患者)
有効成分 タダラフィル
当院の
処方価格
先発薬:1,500~1,600円/1錠
ジェネリック:700~1,200円/1錠
製造
販売元
日本新薬(イーライリリー) 国内外各製薬会社

フィットクリニックでは、ED治療薬シアリスおよびタダラフィル錠(シアリスジェネリック)の処方を行っています。

オンライン診療または来院処方のどちらにも対応しております。

診療方法のご確認及びご予約は以下をご覧ください。

タダラフィルについてのまとめ

タダラフィルは、「勃起不全」、「肺動脈性肺高血圧」、「前立腺肥大症に伴う排尿障害」の3つの適応症への効果が認可されている有効成分です。

近年では高山病の予防にも有効であるという報告もありますが、中でも勃起不全改善への効果ではタダラフィル製剤のシアリスおよびシアリスジェネリックが世界中で利用されています。

タダラフィルの勃起不全改善の効果持続時間は最大36時間という長時間で、週末を1錠でカバーできることから、海外では「ウィークエンドピル」とも呼称され、勃起不全患者のQOL向上に貢献しています。

よくある質問

Q1:タダラフィルとシアリスの違いは何ですか?

A1:タダラフィルは一般名(成分名)であり、シアリスは製品名で効果効能は同一です。
シアリスと呼ぶことがほとんどですが、ジェネリック医薬品は「タダラフィル錠」と一般名で呼ぶことで先発薬と区別することもあります。

Q2:タダラフィルの作用機序はどのような仕組みですか?

A2:タダラフィルは、血管拡張を妨げているPDE5という酵素を選択的に阻害する作用があります。
これにより血管が十分に拡張され、治療部位に対して血流量の増加や血管抵抗を減らす効果をもたらします。

Q3:タダラフィルをED治療薬として服用する場合の飲み方は?

A3:タダラフィルをED治療薬として用いる場合、飲み方は以下をご参考ください。

  • 性行為の1時間前に1錠を服用

1日1回1錠までの服用となるため、追加で服用する場合には服用間隔を24時間以上あけるようにしてください。

Q4:タダラフィルにはどのような効果がありますか?

A4:タダラフィルは、「勃起不全」、「肺動脈性肺高血圧」、「前立腺肥大症に伴う排尿障害」の3つの適応症に効果があります。

勃起不全治療薬にシアリス(Cialis)、肺動脈性肺高血圧治療薬にアドシルカ(Adcirca)、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤にザルティア(Zalutia)が販売されています。

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