日本国内では、梅毒患者数が増加の一途を辿っています。
1999年から実施されている「感染症法に基づく調査」では、2023年の梅毒患者報告数が過去最多の3,701人に達しました。
梅毒は性的接触がある限り誰にでも感染リスクがあります。そのため、日常的にセーフセックスの意識を持つことが重要です。
本記事では、日常生活にすぐに取り入れられる梅毒の予防法や、早期発見・治療に役立つ検査方法について詳しく解説しています。
ご自身や大切なパートナーを感染から守るためにも、ぜひ参考にしてください。
※フィットクリニックでは梅毒の治療は行っておりません。予防薬と検査キットの取扱いのみとなります。
梅毒の予防方法
梅毒の予防方法は至ってシンプルで、パートナー同士のちょっとした意識変化で実践できることばかりです。
以下の基本的な予防を行うだけでも、感染リスクは大幅に低減できます。
梅毒は「偽装の達人」という異名を持つほど他の疾患との区別が難しい病気のため、少しでも異常を感じた場合は自己判断せず、医師にご相談ください。
次の章で、それぞれの予防方法について詳しく解説します。
コンドームを使用する
避妊具とイメージが強いコンドームですが、実は性感染症の予防にも効果的です。
薄いゴムが物理的なバリアとなり、感染者の粘膜や傷口と接触するのを防ぐ役割を果たします。
梅毒はあらゆる性行為で感染するため、シチュエーションに応じて必ず新しいコンドームを使用し、感染者の粘膜・皮膚の接触を防ぎましょう。
- 性器→性器(ノーマルセックス)
- 性器→肛門(アナルセックス)
- 性器→口(オーラルセックス)
コンドームの使用は、100%の感染予防を保証するものではありません。
ピンホール(目視できない微細な穴)や行為中に外れるなどのアクシデントや、コンドームでカバーできない部分からも感染する可能性があるためです。
それでも梅毒の感染リスクを大幅に減らす効果があるため、性行為時はコンドームの使用を習慣づけましょう。
不特定多数との性的接触を避ける
梅毒の感染リスクを減らすためには、不特定多数との性的接触を避けるのが効果的です。
たとえば、1人のパートナーと関係を持つ場合に比べて、3人と性的接触を持てば、感染リスクは単純計算で3倍になります。
性的パートナーの数が増えるほど感染の可能性は高まるため、パートナーを限定することが予防において非常に重要です。
また、特定のパートナーが変わったタイミングにも注意が必要です。
どちらかが無自覚のうちに梅毒を持ち込む可能性があるので、感染リスクがゼロではありません。
新しいパートナーと関係を持つ際には、事前に検査を受けることや、信頼できるコミュニケーションを取ることで感染リスクを減らせます。皮膚や粘膜の異常を見逃さない
前述のとおり、梅毒は症状だけで他の病気と区別するのが難しく、見逃されがちな感染症です。
発症初期は痛みやかゆみを伴わない場合が多く、体に起こっている異常になかなか気付けません。
しかし、皮膚や粘膜といった部位には梅毒感染の重要なサインがあらわれます。
それが「初期硬結(しょきこうけつ)」と呼ばれる小豆や指先ほどのサイズの硬いしこりです。
しこり自体は数週間で自然に消えてしまうこともありますが、完治したわけではなく、水面下で感染は進行しています。
梅毒が進行すると全身に症状が現れたり、重い合併症に発展したりする場合もあり注意が必要です。
小さな異常を見逃さず、気づいた時点で医師に相談することで感染拡大を予防できます。
定期的に検査をする
国内の梅毒感染者数が急増している現状を踏まえ、感染をより確実に判断するためには定期的な検査が推奨されます。
たとえ目に見える異常がない場合でも、「無症候性梅毒」と呼ばれる、ほとんど症状が現れないタイプの梅毒も存在します。
このタイプの感染者は全体の20〜40%を占めており、知らないうちに感染を広げる原因にもなりかねません。
理想をいえば、パートナーと一緒に3ヶ月に1回を目安に性病検査を受けることがおすすめです。 これにより、重複感染のリスクも確認でき、梅毒だけでなく他の性感染症からも自分とパートナーを守ることができます。
定期的な検査を通じて、健康を守りながら安心できる関係を築いていきましょう。
梅毒の予防薬
梅毒の予防に用いられる薬は、抗生物質の「ビブラマイシン」です。
ビブラマイシン | |
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有効成分 | ドキシサイクリン |
効果 | 細菌の増殖抑制 |
副作用 | 吐き気、食欲不振、腹痛、下痢、口内炎、発疹など |
飲み方 | 初日:1日200mgを1回~2回で服用 2日目~:1日100mgを1回服用 |
ビブラマイシンの服用による予防法は「Doxy PEP(ドキシペップ)」と呼ばれ、感染リスクがあった行為から72時間以内に服用することで、梅毒の感染を約87%予防できます。
急増する梅毒にくわえ、国内で最も感染者数の多いクラミジアや淋病にも一定の予防効果が期待できます。
- 梅毒:約87%
- クラミジア:約88%
- 淋病:約55%
特に、梅毒感染のリスクが高いMSM(男性同性愛者)やトランスジェンダーに対しての高い効果が研究で示されており、これらのコミュニティーでも予防手段として大きな期待が寄せられています。
ドキシペップ(Doxy-PEP)の効果と副作用フィットクリニックの梅毒予防薬
フィットクリニックでも、梅毒予防薬として抗生物質ビブラマイシンを取り扱っています。
ビブラマイシン錠 100mg | |
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1回分 | 2,000円 / 2錠 |
梅毒の感染が疑われる72時間以内に200mgを服用することで予防効果が期待できます。
さらに、ビブラマイシンによる予防は服用が早ければ早いほど効果的です。
リスクのある行為から24時間以内の服用であればより高い効果を期待できるため、少しでも不安に感じることがあれば、ぜひ下記ボタンから当院までご相談ください。
フィットクリニックの梅毒検査
フィットクリニックでは、梅毒の感染を確認するための検査キットも取り扱っています。
感染原因である梅毒トレポネーマを確認するために、以下の2つの方法で血液検査(抗体検査)を行います。
- PRP法:梅毒の病勢(活動性)を調べる方法
- TP法:現在または過去の梅毒感染を調べる方法
TP法は、過去に梅毒に感染していた場合でも陽性反応が出るので、PRP法の結果も併せて総合的に現在の感染状態を判断します。
さらに、フィットクリニックでは、梅毒の単体検査だけでなく、各種性感染症(STD)や、症状が似ているヘルペス、重複感染の可能性があるHIVなどの同時検査も可能です。
より包括的な健康チェックができ、見落としを防ぎながら早期発見・治療が期待できます。
梅毒の基本情報
梅毒とは、梅毒トレポネーマによる細菌性の性感染症です。
ペニシリンの発見により、一時は国内の感染者数が抑え込まれていました。
しかし、2010年以降、ふたたび感染者数が増加をはじめたことで社会的な関心が高まっています。
基本的な情報は、以下のとおりです。
梅毒の基本情報 | |
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主な症状 | しこり、びらん、潰瘍、リンパ節の腫れなど |
感染経路 | キスなども含む性行為や傷口からの感染 |
潜伏期間 | 約1〜13週間 |
治療の期間 | 通常2〜4週間(病期による) |
治療方法 | 抗生物質による治療 |
梅毒は治療しないと病期(第1〜4期)が進行し、最終的には脳や脊髄まで侵されるため命の危険もある病気です。
幸い、現代では抗生物質により治療が可能なため、第3期まで進行することは稀なケースとなっています。
適切に治療すれば、梅毒は完治が可能です。 ただし、さまざまな合併症のリスクなどもあるので、異常を感じた際にはできるだけ早めに医療機関に受診し、適切な対処を受けるようにしてください。
まとめ:梅毒は日常的な対策と定期的な検査で予防できる
梅毒は正しく予防することで、感染リスクを大幅に低減させられます。
以下は、梅毒予防に関する本記事の要点です。
- 梅毒の患者数は増加し続けている
- 性的接触はコンドームを使用する
- 行為に及ぶパートナーは限定する
- 性的な接触は特定のパートナーのみ
- 無症候性梅毒があるため定期的な検査が推奨される
- リスク行為から72時間以内なら予防薬も使用可能
フィットクリニックでは、オンライン診療を通じて周囲に知られることなく、梅毒検査キットを購入することが可能です。
また、検査結果に基づいた適切な治療も受けられますので、梅毒感染について不安がある場合は安心して当院にご相談ください。
よくあるご質問
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- Q梅毒を防ぐ方法はありますか?
- A梅毒を防ぐためには、性的接触時にコンドームを正しく使用することが重要です。
また、不特定多数との性的接触を避け、特定のパートナーとのみ性的な関係を持つことで、感染リスクを大幅に減らすことができます。
感染者数の急増からも、理想をいえば、3ヶ月に1回を目安に性感染症検査を受けることが推奨されます。
- Q
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- Q梅毒の予防薬はありますか?
- A梅毒の予防薬として、リスクのある行為後72時間以内に抗生物質ビブラマイシン(ドキシサイクリン)を服用することで予防効果が期待できます。
この方法は、特に高リスク行為があった場合に使用され、約87%の予防効果があるとされています。
- Q
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- Q梅毒の予防接種はありますか?
- A梅毒に対する予防接種は現在存在しません。
そのため、感染リスクを減らすためには日常的な予防対策と定期的な検査が非常に重要です。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください