A1
妊婦がカプセルから漏れた薬剤に直接接触した場合は危険性がありますが、精液を介して子宮で接触した場合は、ヒトの胎児の生殖器発育に影響を及ぼす可能性は低いと考えられています。動物実験では、ほとんど問題は無いという結果が出ています。しかし、どうしても精液中のデュタステリド成分の存在を無くしたい、といった場合は、服用を6か月間は止める必要があります。
ザガーロ（デュタステリド）の効果と副作用について
「ザガーロ」は、グラクソ・スミスクライン社によって開発販売されている、AGA（男性型脱毛症）の治療薬です。
ザガーロはAGA治療薬「プロペシア」に次ぐ「第二のAGA治療薬」と呼ばれています。
ザガーロは、プロペシアより作用する範囲が広いという特徴があるため、プロペシアを使用した際にあまり効果が得られなかった場合に推奨される薬です。
以下ではザガーロの効果や副作用、その他に正しい用量や用法、処方について、基本情報やよくある質問について説明しています。
ザガーロの効果
ザガーロには、男性型脱毛症（AGA）による薄毛を抑制する効果があります。
ザガーロの有効成分は「デュタステリド」です。
男性は体内で男性ホルモン「テストステロン」を分泌します。
近年では健康ブームもあり、このテストステロンが筋肉の増強に欠かせないということをご存じの方も多いでしょう。
テストステロンは筋肉だけではなく、精子の生成や性欲の上昇にも関わる大事なホルモンです。
このテストステロンが、「ジヒドロテストステロン（以下DHT）」に姿を変えると、男性生殖器の生成や薄毛に関わります。
テストステロンをDHTに変えるのは「5a還元酵素（5αリダクターゼ/5AR）」と呼ばれる酵素です。
デュタステリドには、5a還元酵素の働きを阻害することでDHTの生産量を低下させ、薄毛を抑制する働きがあります。
髪の毛が生え抜けるサイクルをヘアサイクルと呼びますが、AGAの症状になると以下のようにヘアサイクルが乱れることで起こります。
これにより、髪が本来の発毛サイクルを正常に戻し、薄毛によって細く短くなってしまった髪の毛を太く長く育てることができるようになります。
日本皮膚科学会が発表している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、ザガーロの有効成分デュタステリドの男性型脱毛症における推奨度をAとしています。
これは、男性型脱毛症の際、デュタステリドを用いた治療を強く勧めるという意味です。
つまりデュタステリドを用いた治療が最も有効性と安全性が高いものとして認められているということです。
当院では、ザガーロの成分「デュタステリド」配合のジェネリック薬を処方しています。
ザガーロとプロペシアの違い
DHTを生成する5α-還元酵素にはⅠ型とⅡ型の2種類があり、頭皮ではそれぞれがカバーしている範囲が異なります。 Ⅰ型は側頭部と後頭部の皮脂腺、Ⅱ型は前立腺と前頭部から頭頂部の毛乳頭に多く存在します。
これまでのAGA治療薬であったプロペシア（フィナステリド）がⅡ型のみに作用する成分であるのに対し、ザガーロの成分デュタステリドはその両方の5α-還元酵素に対して作用します。
デュタステリドはⅠ型とⅡ型両方の5a還元酵素を阻害することで、頭皮におけるDHT量を減少させ、その結果ヘアサイクルの成長期が維持されるようになり、太く長い髪の毛を増加させることにつながります。
多くのAGAの症状の場合、フィナステリドで十分効果を得ることが可能なため、まずはフィナステリドでAGA治療を開始しましょう。
当院での処方も、第一選択はフィナステリドです。
医師の診察により、フィナステリドの服用であまり効果が得られない場合、デュタステリドの使用が検討されます。
ザガーロとミノキシジルの併用
最近の傾向として、AGA治療薬の使用前後を比較した時に、明確に数えることの出来る本数が増えた場合、「発毛」と定義されています。
ザガーロも、服用後に脱毛部分に太くしっかりした髪の毛を増やすことから、発毛の効果があると言えます。
当クリニックでは、更に発毛効果を上げる方法としてザガーロとミノキシジルの併用を推奨しています。
ミノキシジルには血管拡張作用があり、毛根の働きを活発にすることで発毛や育毛を促すので、ザガーロ単体で使用するよりも更なる発毛効果が期待できます。
当院では、患部に塗布するタイプの外用薬と、服用タイプのタブレットの2種類のミノキシジルを処方していますので、ザガーロでAGA治療を行う場合は、是非合わせてご利用ください。
ザガーロの副作用
ザガーロの副作用には、以下のような症状があげられています。
- 頭痛やめまい
- 腹痛
- 下痢
比較的軽い副作用として、上記があげられています。
頭痛や腹痛、下痢については、服用時の体調によっても影響されるものなので、成分による副作用であるとは特定できません。
しかし長い間続く場合は一旦服用を中止して、医師に相談することをおすすめします。
そのほかの比較的重い副作用として、以下があげられています。
| 肝機能障害 | デュタステリド成分を含有する薬剤を服用して、肝機能が低下すると、体が黄色くなる黄疸という症状がみられることがあります。肝機能障害を起こす前触れは、体がだるくなったり、疲れやすくなったりすることです。このような症状が現れ始めたら、一旦服用を中止して医療機関で血液検査をしてみることをお勧めします。 |
|---|---|
| ED・性欲減退 | デュタステリド成分を含有する薬剤を服用すると、ED（勃起不全）や性欲減退、精液の量が少なくなるなど、性機能の低下が起こることがあります。これは、デュタステリドをはじめとするAGA治療薬がもともと前立腺肥大症の薬として開発されたことと関係があるのではないかと言われています。使用実績調査では約0.5%と非常に少ない副作用となりますが、勃起不全を感じたら一旦服用を中止して医師に相談することをお勧めします。 |
| 過敏症（アレルギー） | 服用で、薬に対するアレルギーを発症することがあります。赤い蕁麻疹や、体がかゆくなるなどの症状が、口腔内、唇、咽喉に現れると注意が必要です。重症化するとアナフィラキシーショックを起こすことがありますので、特にアレルギー体質の方は使用前にパッチテストをするなどして確認しましょう。 |
初期脱毛はヘアサイクル改善の証
ザガーロやその他のAGA治療薬全般において、服用後しばらくすると一度の多くの髪の毛が抜ける「初期脱毛」という症状が現れます。
この段階で、脱毛を止めようとザガーロの服用を止めてはいけません。
初期脱毛が起こるのはすなわち、薬が効いている事を意味します。前述したように、AGAの症状はヘアサイクルに乱れによるものです。
乱れたヘアサイクルでは、細く短い抜けやすい髪の毛が多い状態です。
初期脱毛は、正常な髪の毛が生えてくるように、一度頭皮をリセットする働きとお考えください。
そのため、当院では発毛を実感できるようになるまで6か月以上の服用を推奨しています。
ザガーロの用法・用量
通常、成人1日1回（0.1mg～0.53mg）を、コップ1杯程度の水かぬるま湯で服用します。
食前や食後などのこだわり無く服用することができますが、長期間に渡り毎日服用し続けなければならない薬のため、飲むタイミングを決めておくのがよいでしょう。
例えば、「朝食後に飲む」などのルーティンを自分で決めておくと、服用忘れを防ぐことができます。
毎日同じ時間に服用することで、ザガーロの成分の血中濃度は一定に保たれます。
そのため、仮に飲み忘れてしまった場合、2日分まとめて服用しても意味がないので、1日の服用量を守ってください。
服用してはいけない人
服用してはいけない人として、以下があげられています。
| 成分にアレルギーのある方 | ザガーロの成分「デュタステリド」や「フィナステリド」などの、「5α-還元酵素阻害薬」と呼ばれる種類の薬に対してアレルギーを起こしたことのある方は、服用できません。 |
|---|---|
| 未成年 | 20歳未満の未成年の服用は安全性が確立されていません。この薬剤は、皮膚からも吸収されるので、特に幼児や乳児、新生児には触れさせないようにする必要があります。 |
| 女性 | 女性への使用は安全性が確立されていません。この薬剤は、皮膚からも吸収されるので、妊娠または妊娠の可能性のある女性は触れることも禁忌です。 |
| 肝機能障害のある方 | 薬剤の成分の血中濃度が上がるため服用ができないとされていますが、肝機能障害の重症の度合いについては医療機関によって基準がマチマチです。そのため、肝障害がある方は自己判断で使用することをせず、主治医に確認するようにしましょう。 |
幼児や妊婦がザガーロに触れてはいけない理由
ザガーロは男性ホルモンに作用する医薬品のため、小児や女性、特に妊産婦は注意すべき事柄があります。
ごく稀ではありますが、幼児や小児、妊婦がこの成分に触れたり服用しますと、男子だった場合、男性器や男性機能の発育に障害を起こす可能性があります。
これらの薬剤は、服用することと皮膚に触れることでも吸収されます。そのため、服用はもちろん、触れることも禁忌とされているのです。
※もし触れてしまったら、石鹸や水ですぐに洗い流して、医師に相談しましょう。
ザガーロの併用禁忌・併用注意
ザガーロには、特に併用禁忌とされている薬剤はありません。
ザガーロの併用注意薬には、以下のようなものがあります。注意すれば、併用は可能なものになります。
| CYP3A4阻害薬 | ザガーロの成分は主に肝臓で吸収されます。CYP3A4阻害薬と併用することで血中の薬剤成分の濃度が上がることがあるため、併用する際は医師に確認しましょう。 |
|---|
医薬品には単体であればよい作用をする薬であっても、併用することで逆に体に悪影響を及ぼす場合があります。
現在服用されているお薬がある場合は、念のため薬品名を伝え医師に確認してもらいましょう。
当院のザガーロの処方・料金
当院では、ザガーロの成分デュタステリド配合のAGA治療薬を取り扱っています。
初診料・診察料は無料です。
デュタステリドの料金は以下になります。
| 製品 | 1ヵ月分 | 2ヵ月目以降 |
|---|---|---|
| デュタステリド0.5/0.53mg（海外製） | 3,500円（初回限定） | 7,000円 |
デュタステリドが含まれたオリジナル治療薬「Reborn Neo」
フィットクリニックでは、
- ザガーロの有効成分デュタステリド
- 発毛成分ミノキシジル
- 体質改善サプリ
が含まれたオリジナル治療薬セット「Reborn Neo」を処方しています。
デュタステリドとミノキシジルの他に、髪に必要なビタミンやアミノ酸を配合したサプリメントも含まれているので、有効成分の効果を更に高める期待ができます。
※フィナステリドを含んだセットもあります。
| 製品 | 1ヵ月分 | 2ヵ月目以降 |
|---|---|---|
| Reborn Neo B デュタステリド0.5/0.53mg ミノキシジル5mg オリジナル発毛サプリ（HGPα） |
12,500円（初回限定） | 14,400円 |
オンライン処方について
当院では、
- 通院の時間が無い
- クリニックが遠い
- 人にAGAの治療がバレたくない
- 極力人の接触を避けたい
などのお悩みでお困りの方でも、AGA治療が行えるオンライン診療・処方を実施しております。
初診のでもオンライン診療・処方のご利用も可能で、予約を頂ければご希望の日時にスムーズにオンライン診療の受診が行えます。
ザガーロについてさらに詳しく
ザガーロの見た目は、薄い赤色の柔らかいカプセル錠です。
現在国内では、「トーワ（東和薬品）」「サワイ（サワイ製薬）」「MYL（マイラン社）」「BMD（SKIファーマ）」などから、ジェネリック薬のデュタステリドカプセルが発売されています。
ザガーロの成り立ちとしては、もともと前立腺肥大症の薬として2001年に米国でアメリカ食品医薬品局（FDA）の承認を受けています。
2009年には日本でも前立腺肥大症の治療薬（アボルブ）として厚生労働省の承認を受けていますが、AGAの治療薬「ザガーロ」として承認されたのは2015年になってからとまだ新しい薬であるため、これからの薄毛治療薬として注目されています。
ザガーロに関してよくある質問
Q1
デュタステリドでAGAを治療中に性行為をして妊娠した場合、お腹の子どもに奇形が生じる危険性はありますか？
Q2
ザガーロは食事の影響を受けますか？
A2
空腹時の投与と食後の投与では、血清中の成分動態が多少変化するものの、その変化はわずかなものでした。そのため、食事の影響はほとんど受けないと言っていい値です。食事のことは気にせず服用して差し支えありません。
Q3
ザガーロは服用を始めてから髪の毛が生えるようになるまでどのくらいかかりますか？
A3
個人差はありますが、ヘアサイクルが正常に戻り脱毛が止まるまではおよそ3～6か月程度を要するとされています。ザガーロも6か月間服用を続けることが推奨されていますので、この期間飲み続けて改善が見られない時は医師にご相談ください。
Q4
ザガーロは服用をやめたらまたハゲてしまうのですか？
A4
服用を中止すると、頭皮の5α-還元酵素が再び活性化し、頭髪が服用以前の薄さに戻ってしまう可能性はあります。ザガーロは半年間は服用することが推奨されている薬ですが、薬を用いたAGA治療を開始するときは、更に長い期間に渡って飲み続けなければならないこともあるということを理解しておく必要があります。
Q5
ザガーロに健康保険は適用できますか？
A5
ザガーロに関わらず、AGA治療は医療保険が適応される治療ではありません。治療費は全額自己負担となります。医療機関によって価格は異なりますので、各医療機関にお問い合わせください。
Q6
ザガーロの服用中の献血は可能ですか？
A6
ザガーロの有効成分であるデュタステリドは血中半減期が長いため、服用を中止してから6か月間は献血することができません。