
白いニキビは、ニキビの中でも初期段階にあたる状態です。
まだ炎症が起きていないため比較的対処しやすい反面、ケアを怠ると赤ニキビなど、より深刻な段階へ進行する恐れがあります。
そこで本記事では、白ニキビができる原因や薬での即効性のある治し方、サプリを活用した予防方法、そして白ニキビで注意したいスキンケア方法まで詳しく解説していきます。
ニキビが気になる方はもちろん、肌トラブルを防ぎたい方にも役立つ情報をまとめていますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
白ニキビとはどんなニキビ?
白ニキビは毛穴の中に皮脂や角質が詰まり、白っぽく見える状態を指します。
医学的には「コメド」や「面ぽう」と呼ばれ、そのうち皮脂や角質が毛穴内に閉じ込められたものを「閉鎖面ぽう(ホワイトコメド)」と分類することがあります。
- ニキビの初期症状
- 非炎症性ニキビ(痛みや腫れはほとんどない)
- 肌表面に触れるとポツポツした感触がある
- 直径1~2mm程度の小さな白または肌色の突起
- 顎などの口周りや小鼻にできやすい
- セルフケアや市販薬で改善が期待できる
白ニキビは炎症が起きていない分、セルフケアや市販薬で対処しやすい段階です。
しかし、放置してしまうと炎症性ニキビへ進行する可能性があります。
悪化させないためにも、白ニキビの段階から正しくケア・治療を行うことがトラブルの少ない健やかな肌の維持につながります。
ニキビの色で進行状態がわかる
初期段階の白ニキビが進行すると、色が変化していきます。
色の変化はニキビの進行度合いを示しており、炎症や膿がひどくなるほど重症化していきます。
白(初期)→黒(酸化)→赤(炎症)→黄(化膿)→紫(出血)
このようにニキビは白から色が変わるにつれて重症化していきます。
進行状態が進むと肌へのダメージも皮膚の深い層にまで及ぶため、以下のことに注意が必要です。
- 初期の白ニキビの段階でも、間違ったケア、放置、触る、潰すことはしない
- 「炎症性ニキビ」の赤ニキビ以降は、特にニキビ跡が残る可能性が高まる
- 皮膚科などの医療機関への相談を視野に入れることを推奨
白ニキビは指で触ったり、潰す(芯出しする)と雑菌が入りやすくなり、炎症や色素沈着を引き起こす恐れがあるため極力刺激を与えないようにしましょう。
早めの段階で専門的な治療を受けることで、肌トラブルを最小限に抑えられる可能性が高まります。
白ニキビの原因

白ニキビの原因は、乱れたライフスタイルや不適切なケアにより、皮脂が過剰に分泌され、毛穴が詰まることによって引き起こされます。
詰まった毛穴の中は皮脂が多く、酸素も少ないことから、アクネ菌が増殖しやすい環境がつくられます。
その結果、肌にポツポツとした突起(白ニキビ)ができてしまいます。
過剰な皮脂の分泌や毛穴詰まりの原因となる習慣や行動は以下の通りです。
- 睡眠不足や偏った食生活
- ストレスによるホルモンバランスの乱れ
- 肌の乾燥(バリア機能の低下)
- メイクの落とし残しや皮脂汚れによる毛穴詰まり
これらが重なり合うことで毛穴に皮脂がたまりやすくなり、白ニキビができやすくなります。
白ニキビの即効性のある治し方
白ニキビは軽度ニキビですが、この時点で適切な薬を用いることで、ニキビ跡も残さずに比較的短期間で改善することが可能です。
白ニキビの薬やサプリと並行して、スキンケアと生活習慣の改善にも取り組みましょう。
ドラッグストアの市販薬
白ニキビを薬局などの市販薬を用いて治す場合、以下の成分が含まれているお薬で効果が期待できます。
一般名 (成分名) |
対象 | 効果 |
---|---|---|
サリチル酸 レゾルシン イオウ |
白ニキビ | 角質柔軟・殺菌作用により、毛穴詰まりやアクネ菌にアプローチし、白ニキビの悪化を防ぐ |
イブプロフェンピコノール(IPPN) | 白ニキビ~軽度の炎症を伴うニキビ | 抗炎症作用により、軽い炎症を抑えつつ、皮膚表面の状態を整える |
市販薬を使用するにあたって、自分のニキビの状態にあっていないお薬を選んでしまう可能性があります。お薬や用法・用量が適切に使用できていない場合、ニキビが進行してしまうリスクもあるため、不安な場合は医療機関に相談の上、処方薬を使用しましょう。
医療機関の治療薬
白ニキビで医療機関を受診した場合、処方される治療薬は以下のようなものがあります。
一般名 (成分名) |
対象 | 効果 |
---|---|---|
アダパレン 過酸化ベンゾイル |
白ニキビなど | 毛穴の詰まりを解消し、肌のターンオーバーを促進する |
外用・内服抗生物質 | 炎症を伴うニキビ | アクネ菌や黄色ブドウ球菌などを殺菌、炎症を鎮静する |
重症のニキビや何度も繰り返す場合に検討される強力なニキビの薬として「イソトレチノイン」という内服薬があります。
白ニキビだけであれば基本的には処方の対象外ですが、炎症した赤ニキビや化膿した黄ニキビなども併発している場合には効果的な治療薬です。
ニキビは生理現象ではなく、皮膚疾患の一つです。正しいアプローチをとり、素早く症状を抑え、ニキビ跡が残るリスクも軽減したい場合は医療機関の受診を推奨します。
サプリメント・美容内服薬
白ニキビの薬と並行してサプリメントを飲むことで、体内から中長期的にアプローチして肌環境を維持できます。
白ニキビの原因である毛穴詰まりの解消をサポートしたり、皮脂の酸化を防ぐ働きが期待できるのが以下のような成分を含むサプリです。
成分 | 作用・特徴 |
---|---|
ビタミンB群 | 皮脂分泌をコントロールし、肌のターンオーバーを正常化 |
ビタミンC | 抗酸化作用が高く、吸収率を高めた「リポシー」などが人気 |
ビタミンA・E | 皮膚や粘膜の健康維持、抗酸化作用に加えて血行促進もサポート |
タンパク質 | 肌細胞の材料となり、白ニキビの原因となる過剰皮脂を間接的に抑制 |
ミネラル (亜鉛など) |
肌の修復や免疫機能を支え、ニキビの回復を後押し |
また一般的なサプリよりも有効成分の含有量が多い、美容内服薬を使用するのもひとつです。
たとえば、医療機関で処方されるシナール(ビタミンC製剤)やスキンマリア(美容内服5合剤)などは、肌のバリア機能やターンオーバーをより強力にサポートしてくれます。
スキンケア:適切に洗顔をする
白ニキビができると、「普段のスキンケアを変えたほうがいいのか…」と悩む方は多いのではないでしょうか。実は、ほんの少しポイントを押さえるだけで、白ニキビの悪化を防いで早めの改善を目指せることがあります。
白ニキビができたときにぜひ意識してほしいケアのコツを、「洗顔」、「化粧品選び」、「保湿」の3つのステップに分けてご紹介していきます。
洗顔は白ニキビケアの基本ですが、肌を清潔に保ちたいからといって、やりすぎは肌のバリア機能を低下させ、かえって皮脂の過剰分泌を招く原因にもなりかねません。
以下のポイントを参考に、やりすぎず、しかし手を抜かず、肌を優しく扱うことを意識してください。
- 洗顔は1日2回が目安
- 泡で優しく洗う
- クレンジングでメイクはしっかり落とす
- 仕上げはぬるま湯ですすぐ
適度な洗顔と丁寧なクレンジングは、白ニキビだけでなくあらゆる肌トラブルの予防に役立ちます。
スキンケア:自分にあった化粧品を使う
白ニキビができる原因として、肌質に合っていない化粧品を使っている可能性も考えられます。
たとえば洗顔料が強すぎて必要な皮脂まで奪ってしまい、乾燥を補おうと皮脂が過剰に分泌されるケースや、化粧水や乳液が肌に合わずに毛穴詰まりを起こしているケースなどがあげられます。
以下のポイントを意識して、自分の肌状態に適した化粧品を選びましょう。
- 低刺激・ノンコメドジェニック処方を選ぶ
- オイルコントロール効果のあるアイテム
- 洗顔料やクレンジングは肌質に合わせて
肌質を知り、合わないと感じたら早めにアイテムを見直すことが、白ニキビ予防や改善の近道です。
また新しい化粧品を試す際には、パッチテストをして刺激やかゆみがないか確認しながら慎重に選びましょう。
スキンケア:保湿を忘れない
乾燥した肌はバリア機能が低下し、皮脂を過剰に分泌してしまうことがあります。
また脂性肌だと思っている方でも、肌内部が乾燥している「インナードライ」状態に陥っている場合があり、その結果として白ニキビができやすくなるケースも少なくありません。
入浴やシャワー、洗顔の後は、以下のポイントを押さえて肌のうるおいをキープしましょう。
- 入浴後や洗顔後は素早く保湿
お風呂上がりや洗顔後はなるべく早めに化粧水や乳液をつけ、うるおいを閉じ込めることが大切です。 - 肌質に合った保湿剤を選ぶ
オイリーなテクスチャーが苦手な方はジェルや乳液タイプ、乾燥がひどい方はクリームタイプなど、肌質や好みに合わせて選ぶと快適にケアできます。 - 重ね付けでうるおいを守る
化粧水でしっかり水分を与えたら、乳液やクリームでフタをして逃げないようにするのがポイント。
肌が乾燥している状態は、白ニキビを含むさまざまな肌トラブルを招きやすくなります。
脂性肌だからといって保湿を怠るのではなく、肌状態を正しく把握して適切な保湿ケアを続けてみてください。
ライフスタイルを整える

運動習慣を取り入れたり、ストレスを上手に解消することは、ホルモンバランスや自律神経の乱れを整えるのに役立ちます。あわせてバランスの良い食生活を心がけ、肌のターンオーバーをサポートする栄養素(ビタミンやミネラルなど)をしっかりと摂取することが大切です。
白ニキビのまとめ:自分にあった治療とケアで早期治療を目指しましょう
白ニキビのまとめは以下の通りです。
- 白ニキビはニキビの初期段階のため、早期に適切な対処をすれば炎症性ニキビへの進行を抑えやすくなる
- まずは生活習慣やスキンケア方法を見直し、必要に応じて薬やサプリを活用して、ご自身の肌状態に合ったケアが大切である
- それでも改善が見られない、あるいは何度も繰り返してしまう場合は、皮膚科などの医療機関で相談する
白ニキビを早めにケアすることで、将来の肌トラブルを最小限に抑えることにつながります。
本記事では、薬による治療やサプリによる内側からのアプローチ、正しい洗顔方法や化粧品選びなどを紹介しました。白ニキビを繰り返さないためにも、総合的なケアとライフスタイルの改善を心がけましょう。
白ニキビのよくある質問
-
- Q白ニキビを1晩で治す方法はありますか?
- A1晩で完全に治すことは難しいとされています。
白ニキビは炎症が起きていない初期段階とはいえ、肌のターンオーバーや薬の効果にはある程度の時間が必要です。
- Q
-
- Q白ニキビが半年間治らない場合の対処法はありますか?
- A生活習慣を見直し、市販薬や処方薬を使っても長期間治らない、または何度もニキビを繰り返している方は、一度専門医に相談するのがおすすめです。
場合によっては、重症ニキビや繰り返すニキビに対して効果が期待できるイソトレチノインという内服薬が処方されることもあります。
自己判断でケアを続けるより、適切な診断を受けたうえで治療を進めるほうが、白ニキビの長期化や悪化を防ぐ近道になります。
- Q
-
- Q白ニキビは出した方がいいですか?
- A白ニキビは炎症が起きていないため、無理に潰す行為は推奨されません。
指や爪で触ってしまうと雑菌が入りやすくなり、赤ニキビや化膿ニキビなど、より深刻な肌トラブルにつながるリスクがあります。
医療用の針でニキビに穴を空け、専用器具で皮脂や膿を押し出す方法もあるので、気になる場合は医師に相談するようにしてください。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
イソトレチノインについて | |
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未承認医薬品等であることの明示 | イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。 |
入手経路等の明示 | 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。 |
国内の承認医薬品等の有無の明示 | 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。 |
諸外国における安全性等に係る情報の明示 |
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医薬品副作用被害救済制度について |
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万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。 |