紫ニキビは自力で治せる?血豆みたいになった紫ニキビの原因と治し方

更新日:2025/02/26
紫ニキビは自力で治せる?血豆みたいになった紫ニキビの原因と治し方

紫ニキビは、血や膿により紫色に腫れ上がるため、血豆のように残ってしまうこともあります。通常のニキビ以上に炎症がひどく、特に目立ちやすいため不安を感じる方も多いです。

本記事では、紫ニキビがなぜ起こるのか、その原因からセルフケア・皮膚科での治療方法まで詳しく解説していきます。
自力でできる対策とあわせて、ついやりがちな「血抜き」のリスクにも触れていくので、紫ニキビに悩んでいる方はぜひ最後までご覧ください。

紫ニキビの治し方 ニキビの種類と症状

紫ニキビとは

紫ニキビは、赤・黄ニキビの炎症がさらに進行し、血液や膿・老廃物が毛穴の奥に蓄積してできる重症ニキビです。

紫ニキビの特徴
  • 「嚢腫(のうしゅ)」「結節(けっせつ)」とも呼ばれる
  • 赤ニキビや黄ニキビではおさまらなかった炎症が深部まで及ぶ状態
  • 皮膚組織が硬くなることでしこりになることもある
  • 血液がたまって血豆のようにぶよぶよ腫れることもある
  • 症状は角質層にとどまらず、真皮層までダメージが及ぶ
  • 治療後もクレーター状の凹凸や色素沈着などのニキビ跡が特に残りやすい

見た目は目立ちますが、痛みやかゆみは見た目ほど感じない場合もあるため、放置してしまうケースも少なくありません。
ニキビの中でも特に進行している状態であり、自然治癒は難しいことから、1日でも早い医療機関の受診を推奨します。

紫ニキビの原因

紫ニキビは、ニキビの根本的な原因である「皮脂の過剰分泌」「毛穴の詰まり」「アクネ菌の増殖」が特に深刻に進行し、出血や膿(うみ)を伴うほど悪化して発生します。
こうした重症化を招く原因となるのが、以下のようなことです。

■紫ニキビの原因
  • 偏った栄養バランスの食生活
  • 誤ったスキンケア(過度な洗顔、保湿不足など)
  • 生理や妊娠によるホルモンバランスの変化
  • ストレスや不規則な生活リズム
  • 血行の滞り

肌の深部で炎症が起こると、免疫細胞が細菌などを排除しようと集まる一方で、過剰に反応して周辺の皮膚組織まで傷つけてしまう場合があります。
こうした自己免疫が炎症をさらに強めて悪循環を引き起こすことで、血豆のように紫色に腫れ上がる紫ニキビへと進行しやすくなってしまうのです。

紫ニキビの血抜きを自力でするのはNG?

紫ニキビを自力で血抜きすると、皮膚を傷つけて悪化する可能性や、ニキビ跡に繋がるリスクがあるため控えましょう。

■紫ニキビを無理に血抜きすると・・・

紫ニキビはニキビの中でもっとも悪化した状態です。血抜きを自力でする行為は、すでにダメージを受けている皮膚組織をさらに傷をつけてしまうことになりかねません。
肌の修復過程が妨げられ、正常なターンオーバーが阻害されるため、瘢痕(クレーター状のニキビ跡)として残るリスクがより高まります。

また、自己流で潰した際に雑菌が入り込むと、細菌が奥深くまで広がりやすくなる場合もあります。
炎症が広がることでニキビがより悪化したり、新たな肌トラブルを引き起こすリスクがあるため、早めに皮膚科などの医療機関を受診して適切な処置を受けることが大切です。

紫ニキビの治し方

紫ニキビは医療機関の治療で肌の深部にまで及んだ炎症を抑えつつ、適切なケアでニキビ跡を最小限に抑えることが大切です。
皮膚科と美容皮膚科では、同じニキビ治療であってもアプローチの違いがあります。

紫ニキビの治し方
  • 皮膚科の治療
    主に保険診療でニキビの炎症そのものを抑える治療を中心に行う
  • 美容皮膚科の治療
    保険適用外の薬を含む幅広い治療薬や施術でニキビ跡や肌の見た目を改善

以下では、皮膚科で処方される薬、美容皮膚科ならではの治療薬と施術治療について詳しくご紹介していきます。

皮膚科の処方薬

皮膚科では、紫ニキビの炎症を抑えたり、アクネ菌の増殖を抑える薬が処方されます。

【外用薬】

薬名 効果・特徴
アダパレン
+過酸化ベンゾイル合剤
2つの有効成分を組み合わせることで、毛穴詰まり改善と抗菌作用の相乗効果に期待できる塗り薬
過酸化ベンゾイル
+外用抗菌薬合剤
過酸化ベンゾイルの抗菌・角質剥離作用に、外用抗菌薬の抗炎症作用を加えた塗り薬

【内服薬】

薬名 効果・特徴
ミノサイクリン 中等症から重症ニキビに対してよく用いられる抗生物質
炎症を抑えながらニキビの原因菌をブロック
ドキシサイクリン ミノサイクリン同様、炎症抑制と抗菌作用をもつ抗生物質
テトラサイクリン 抗菌効果によってニキビの悪化を防ぐ抗生物質

ゲルやクリームタイプの塗り薬と抗生物質を併用するのが皮膚科での治療のスタンダードです。
抗生物質は薬剤に対する抵抗力を持つ薬剤耐性菌が発生するリスクなどがあるため、用法と用量を特に守って使用する必要があります。

美容皮膚科の処方薬

美容皮膚科では、紫ニキビのような重症化したニキビにアプローチできる薬や、治療効果を高めるサプリメントの取り扱いがあります。
また、治療後のニキビ跡の改善と予防のために美容内服薬が使われることもあります。

薬名 効果・特徴
イソトレチノイン
イソトレチノイン
強力な皮脂分泌抑制効果が期待できる
重症化したニキビに高い改善が期待でき、治療後の再発予防にも寄与する
スキンマリア オールインワンの美肌内服5合剤
肌のターンオーバーのサポート、抗酸化作用によるエイジングケアなど、総合的な美肌効果が期待できる
リポシー リポソーム技術などを用いて、ビタミンCを効率よく吸収させるサプリ
抗酸化作用や皮脂コントロールをサポートし、ニキビの進行抑制にも期待・肌のターンオーバーを整える効果も見込める

紫ニキビを改善するためには炎症を抑える治療だけでなく、ニキビ跡の予防や肌のコンディションを整える総合的なケアが必要です。

美容皮膚科では、さまざまな成分を配合した美容内服薬や、通常の皮膚科では扱いにくい強力な薬剤の処方が可能なため、重症化したニキビに対して幅広いアプローチが期待できます。

紫ニキビができた時のセルフケア

紫ニキビを助長する原因として、ライフスタイルが関係していることも少なくありません。
医療機関の治療と並行して、以下のセルフケアを意識して肌の回復を助け、紫ニキビの悪化を防ぎましょう。

栄養バランスの取れた食事

偏った栄養バランスは皮脂の過剰分泌や肌の代謝不良を招き、紫ニキビを悪化させる原因になります。
野菜や果物、良質なタンパク質などをバランスよく取り入れましょう。また、不足しがちな栄養素はサプリメントで摂取するのも1つの方法です。
特にビタミンC、ビタミンB群、亜鉛などは肌の健康に役立つとされています。

正しいスキンケア(適度な洗顔・保湿)

洗顔のしすぎや保湿不足は、肌が乾燥して逆に皮脂分泌を増やす原因となります。
朝晩2回を目安に、刺激の少ない洗顔料でやさしく洗い、すすぎ残しがないように気をつけましょう。洗顔後は油分だけでなく水分補給ができる保湿剤を使い、肌のバリア機能をサポートしてください。

ホルモンバランスへの配慮

生理や妊娠などによるホルモンバランスの変化も、ニキビを悪化させる大きな要因です。
婦人科系の疾患や月経不順などがある場合は、早めに専門の医療機関を受診して原因を探るのも重要です。また、漢方薬などで体質改善を図る方法もありますが、必ず医師と相談しながら進めましょう。

ストレスや不規則な生活リズムの改善

睡眠不足やストレスはホルモンバランスや自律神経の乱れにつながり、ニキビの悪化を招きます。十分な睡眠を確保し、適度な運動やリラックスできる時間をつくることで、肌の回復力を高めましょう。

血行不良を防ぐ習慣づくり

血行が悪くなると、肌に必要な栄養や酸素が行き届きにくくなり、ニキビが治りにくくなります。軽いストレッチやウォーキングで血行を促進したり、湯船にゆっくり浸かって身体を温めたりと、日々の生活習慣の中で意識的にケアしていきましょう。

紫ニキビは重症ニキビでもあるため、セルフケアだけで改善が難しいことが多いです。
自己判断で無理はせず、皮膚科や美容皮膚科といった医療機関の治療と併せて生活習慣の見直しを進めていきましょう。

当院のニキビの治療はイソトレチノインもご用意

当院のニキビの治療はイソトレチノインもご用意

当院では、紫ニキビなどの中等症~重症ニキビでお悩みの方や、これまで皮膚科や市販薬などによる治療で治らなかったという方に、イソトレチノインを使ったニキビ治療をご提供しています。

イソトレチノインは、1982年にFDA(米国食品医薬品局)から認可を受け、40年以上アメリカの重症・難治性ニキビの治療薬として使用されてきました。
皮脂の分泌をする皮脂腺を縮小し、皮脂の分泌を抑制する効果を持ち、ニキビの原因を根本から改善する薬です。

一度治っても繰り返し再発する方にも、ニキビを根本から改善するため、中長期的にニキビを作り出さない効果が期待できます

イソトレチノインの詳細

紫ニキビのまとめ:セルフケアでは改善が難しいため医療機関の受診を推奨

このページのまとめは以下の通りです。

紫ニキビのまとめ
  • 紫ニキビは赤・黄ニキビが進行し、血液や膿が溜まっている状態
  • クレーターや色素沈着などニキビ跡がもっとも残りやすい重症ニキビ
  • イソトレチノインは血豆のようにぶよぶよした紫ニキビにも効果が期待できる
  • 皮膚科の保険診療や市販薬を試しても治らなかった人にも推奨
  • これ以上の悪化を防ぐためには、セルフケアにも取り組む
  • 紫ニキビの治療後は、美容内服薬でニキビ跡の予防・改善も可能

フィットクリニックのイソトレチノインによるニキビ治療では、クリニックに足を運ばずに治療を開始できるオンライン診療もご用意しています。

当院のオンライン診療を利用すれば、イソトレチノインの処方を日本全国どこからでもお受けいただけます。
当院のニキビオンライン診療の詳細は、以下のページをご確認ください。

当院のニキビオンライン診療

紫ニキビのよくある質問

  • Q
    紫ニキビは市販薬で治せますか?
    A
    紫ニキビは、赤ニキビや黄ニキビの段階を通り越して炎症が深刻化した状態です。
    ここまで進行してしまうと、市販薬やセルフケアのみでは改善が難しく、放置するとクレーターや色素沈着などのニキビ跡が残りやすくなります。
    そのため、できるだけ早い段階で皮膚科や美容皮膚科など医療機関を受診し、専門的な治療を受けることをおすすめします。
  • Q
    ぶよぶよの状態になった紫ニキビはどうすればいいですか?
    A
    紫ニキビの患部がぶよぶよしている場合は、すでに毛穴内部に膿や血液が溜まっている可能性が高く、自己流のケアで無理に潰そうとすると跡が残るリスクがさらに高まります。
    放置しても悪化しやすいので、早めに医療機関を受診し、薬の処方や必要に応じた施術を受けて正しいケアで改善を目指しましょう。
  • Q
    ニキビが紫になるのはなぜですか?
    A
    ニキビが紫色に見えるのは、炎症が進行して毛穴内部に血液がたまっているためです。
    真皮層にまでダメージが及んでいる可能性が高く、治りにくくニキビ跡になりやすいのが特徴です。
    紫ニキビが治った後も色が残る場合は、皮膚の真皮層まで傷ついて色素沈着を起こしているケースが考えられます。
  • Q
    ニキビ跡になりやすい紫ニキビの跡を残さない方法はありますか?
    A
    紫ニキビは深刻な炎症によって跡が残りやすいため、早めに適切な治療を行うことが重要です。
    たとえば、イソトレチノインで皮脂分泌を抑えつつ、リポシー(ビタミンC補給)の併用で肌の回復をサポートできます。 リポシーの詳細
    治療完了後も、スキンマリアなどの美肌成分を含むサプリでケアを続けることで、ニキビ跡の改善や予防に取り組むことができます。 スキンマリアの詳細

その他よくある質問はこちらをご確認ください

イソトレチノインについて
未承認医薬品等であることの明示 イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。
入手経路等の明示 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。
国内の承認医薬品等の有無の明示 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
諸外国における安全性等に係る情報の明示
  • FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。
  • 胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。
  • 妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
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